鳳凰単叢 鴨屎香:美味しいお茶になぜ「アヒルの糞の香り」という名前がついたのか?

鳳凰単叢 鴨屎香(おうほうたんそう あしこう/ヤーシーシャン)は、別名を「銀花香単叢」ともいい、広東省潮州市の鳳凰単叢茶から生まれた香型の一つです。地元の人が「鴨屎土(アヒルの糞の土)」と呼ぶ特殊な土壌で育つことから、このユニークな名前がつけられました。2018年以降、市場で一躍脚光を浴び、大手ドリンクブランドがこぞってベースティーに採用したことから、お茶業界で大ブームとなりました。

鳳凰単叢 鴨屎香

鳳凰単叢 鴨屎香の産地と歴史

「鴨屎香」の原叢の母樹は、1920年代に潮州烏崬山の李仔坪村から潮安区鳳凰鎮の鳳溪坪坑頭村へと移植されました。この地域の標高は約900mです。現地の土壌、気候、環境は鴨屎香の生育に非常に適しており、鳳凰地区における鴨屎香の発祥地となりました。鴨屎香の人気が高まるにつれて、その栽培範囲は鳳凰鎮の周辺地域へと徐々に拡大し、現在ではこの地域の年間生産量は数千kg(※約6,000 kg以上)に達しています。

なぜ「鴨屎香(アヒルのクソの香り)」と呼ばれるのか?その由来について

鴨屎香というユニークな名前の由来は、生育している土壌と深く関係しています。この土壌は地元で「鴨屎土(アヒルのクソの土)」と呼ばれ、ミネラルを豊富に含んだ黄色い壤土(ローム)です。この貴重な茶の苗木が盗まれるのを防ぐため、地元の茶農家があえて魅力のない「鴨屎香」という名前をつけました。しかし、この名前がかえってお茶ファンの間で話題となり、口コミで広がっていきました。その後、2014年には専門家によって「銀花香単叢(ぎんかこうたんそう)」へと正式に改名されました。これは、お湯を注いだときの香りがスイカズラ(金銀花)に似ているためです。しかし、それから数年も経たないうちに、かえってこの「鴨屎香」というギャップのある名前のおかげで大ブレイクを果たしました。

鳳凰単叢 鴨屎香

「鴨屎香」の大ブレイク

2018年、広州のティーブランド「丘大叔(Uncle Qiu)」が、鳳凰単叢の鴨屎香をベースにした「鴨屎香レモンティー」を初めて発売すると、瞬く間に大ヒット商品となりました。続いて別の有名ドリンク店も「鴨屎香宝蔵茶」を発売し、市場で大きな反響を呼びました。「鴨屎香」は急速にブームとなり、お茶業界に旋風を巻き起こしただけでなく、ペットボトル飲料、ティーバッグ、さらにはスイーツやスナック菓子などにまで広がり、ドリンクブランドの新たな定番人気フレーバーとなっています。

鳳凰単叢 鴨屎香

鴨屎香の味わい

鳳凰単叢の鴨屎香は、淹れると黄金色で澄んだお茶の色になり、ランの花のような上品な香りと、自然豊かな山あいの雰囲気を漂わせ、爽やかで心地よい気分をもたらします。口に含んだ瞬間はすっきりと甘く、その後で力強いお茶の香りが鼻を抜け、かすかな苦みを感じたかと思うと、すぐに心地よい甘みへと変わり、豊かな余韻が長く続きます。最も印象的なのは、鴨屎香ならではの独特なフローラルな香りです。お茶の香りと花の香りが絶妙に絡み合い、ほのかなミルクのような香りも相まって、非常に素晴らしい味わいを生み出しています。鴨屎香単叢の乾燥した茶葉は太くしっかりとしており、深い褐色でツヤがあります。お湯を淹れるとオレンジがかった黄色く澄んだお湯になり、香り高く力強く、コクがあり、奥深くどこか懐かしい独特の山韻(山の余韻)が長く楽しめます。

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