悩ましい茶の木のコケ
茶園管理における重要な作業の一つに「コケ取り」があります。これは茶の木に生えたコケを取り除く作業で、こうした寄生植物は茶の木の養分を奪ってしまいます。茶の木が養分不足になるとお茶の味が薄くなってしまうため、プロの茶園管理者は茶の木のコケ取りを重要業務と捉えています。 /*! elementor – v3.10.0 – 09-01-2023 */ .elementor-widget-image{text-align:center}.elementor-widget-image a{display:inline-block}.elementor-widget-image a img[src$=”.svg”]{width:48px}.elementor-widget-image img{vertical-align:middle;display:inline-block} コケの除去は正直なところ結構面倒です。店長はある茶農家から、一番嫌いな管理作業はコケ掃除だと聞いたことがあります。手でむしり取るにしても高圧洗浄機で洗い流すにしても非常に手間がかかり、コケ類は茶の木の根元にびっしり付着して処理が大変だからです。それに比べれば、施肥や雑草取りのほうがずっと楽です。面倒くさがって手抜きをする管理者がいると、結果的に茶の木全体がコケだらけになってしまいます(図2)。 店長の知り合いの茶農家は、年に2回コケ取りを行っています。1回目は春茶の収穫後、夏の剪定のタイミングで、枝葉が少ないため作業がしやすいからです。もう1回は冬茶の収穫が終わった11月〜12月です。一般的には年1、2回の掃除で十分ですが、古い茶の木(古い枝は寄生されやすい)や、湿気が多く薄暗くて風通しの悪い茶園は特にコケが生えやすいため、年3回以上掃除が必要になることもあります。 多くの茶農家がこの作業をあまり重視していませんが、それは作業が多忙すぎるためか、あるいは費用対効果があまり感じられないためかもしれません。そのため1〜2年に1度しか掃除をせず、梨山のような高級茶の産地であっても、多くの茶園がこの作業を怠っています。図3は、梨山の標高2,000メートルを超える茶園の様子ですが、茶の木全体がコケやシダ植物に覆われ、葉っぱにまでコケが生えています(図4)。その品質がどうなっているかは、皆様も容易に想像がつくことでしょう。 苔が生育や茶葉の品質に与える影響を侮ってはいけません。本当に「大きな差」が出ます。2枚目、3枚目、4枚目の写真をご覧ください。茶の木にこれほどびっしりと苔や毛のようなものが生えていると、肥料の栄養分がすべて吸い取られてしまい、これで美味しいお茶ができるわけがありません。5枚目と6枚目の写真は、定期的に苔を取り除いている茶の木です。こちらの方がずっと美味しそうに見えるでしょう! 注1:定期的な中刈りや深刈りは、苔の予防に非常に効果的です。枝を剪定することで風通しが良くなり、株元まで日光が届くようになるため、苔の繁殖を防ぐことができます。そのため、夏季の剪定は茶葉の品質向上に大きく役立ちます。 注2:大葉種の紅茶やプーアール茶は味わいが非常に強いため、苔が栄養分の一部を吸収することで、お茶の渋みがマイルドになり刺激が抑えられます。そのため、あえて茶の木に苔を生やしたままにする農家もあります。一方、高山茶や烏龍茶は一般的に味わいの優しい小葉種であるため、このような手法をとることはありません。 注3:茶の木の苔を取り除く方法として、バーナーで焼き払ったり、高圧洗浄機とミネラルオイルを使ったりする農家もありますが、やはり手作業で苔を削り取る方法が主流です。